皆さん、毎日スマホやパソコン、テレビなど、どれくらい見ていますか?
結構見てますよね。
電車の中なんて、ほとんどの人がスマホいじっています。
iPhone(iOS12)の方は、「スクリーンタイム」で確認してみてください。
ぼくはというと、一日当たり5時間くらいです。
実に一日の約20%!!!

なんてこった!こんなにスマホを見てるとは。
こんなにスマホを見てると心配なのは、「目」ですよね。
聞いたことはあると思いますが、ディスプレイから発せられる「ブルーライト」が目に悪いとかなんとか。
でも実際、ブルーライトがなんなのかあまり知らなくないですか?
なんで目に悪いか、わからなくないですか?
なので、今回はブルーライトについて調べました。
ブルーライトとは?
ブルーライトは、高エネルギー可視光線とも呼ばれ、可視光線のうちでも波長が380 nm 〜 530 nmの青色光のことです。
ぼくたちが目に見える可視光線(目の角膜や水晶を通過し、網膜に到達する光)は、波長でいうと約400 nm 〜 約700 nmの光です。
なので、ブルーライトは可視光線のうちで低波長領域なので、エネルギーは高くなります。
つまり、網膜に到達する光のなかで最も高エネルギーなのがブルーライトなのです。
▽この式より、
波長が低いほど、エネルギーは高い。
E = h・c/λ
E:エネルギー
h : プランク定数
c:光の速さ
λ:波長
これは、なんだか目に悪そうですね。
目への影響
ブルーライトは低波長なので、高波長な光に比べると散乱しやすいです。
(理由は難しいです。空気分子の固有振動数が関係しています。)
スマホやパソコンのディスプレイを見ると、散乱するブルーライトによって、焦点が合っていない視覚的な「ノイズ」が生まれます。
これが、「デジタル眼精疲労(digital eye strain)」の原因となってしまうのです。
また、高エネルギーであるブルーライトが目に入ると、瞳孔を縮めようと目の筋肉をより使ってしまうので、「目の疲れ」につながります。
目だけじゃない
昔々、光が太陽光だけだったとき、人は日の出とともに起き、日没とともに寝ていましたとさ。
これが、人の体に刻まれたリズムとなりました。
目に入る日光の量などで、このリズムをコントロールしています。
夜遅くまでスマホやパソコンを見て、ブルーライトを多く浴びてしまうと、このリズムが乱れてしまいます。
高エネルギーのブルーライトの刺激を網膜が受けることで、体は夜でなく朝や昼間だと勘違いしてしまうんです。
これにより、「寝付きが悪く」なったり、「眠りが浅く」なったり、「不眠症」などの原因になる可能性があります。
悪いことだけではない、メリットも
夜にブルーライトを浴びるのは良くないとわかりました。
しかし、昼間にブルーライトを浴びるのは悪くなく、むしろ良いということです。
先程言ったとおり、網膜がブルーライトを受けることで、人の体は「昼間」だと判断します。
つまり、昼間にブルーライトを浴びれば、体のリズムを維持するのに役立っているのです。
さらに、ブルーライトは覚醒を促進し、記憶や認知機能を助け、気分を高めていることを示す研究もあります。
悪者だと思っていたブルーライトも、意外といいとこあるんですね。
失明はしない? 米国眼科学会 vs. トレド大学
2018年8月15日、米国眼科学会(AAO)は、「スマートフォンのブルーライトで失明はしない」とする声明を出しました。
これは、トレド大学の「デジタルデバイスからのブルーライトと太陽光によって、目の網膜内の重要な分子が細胞を傷つける。」という研究を反論するものです。
もっとわかりやすくいうと、
トレド大学は、
- デジタルデバイスのブルーライトは失明につながる。
- ブルーライトは加齢性黄斑変性症の原因
- UVやブルーライトカットメガネを推奨
と言っていて、
米国眼科学会は、
- トレド大学の実験は妥当ではない
- デジタルデバイスのブルーライトは失明につながらない。
さらに、効果が実証されてないことや、被害の証拠がないにもかかわらず、ブルーライトに対する予防措置を取ることはブルーライトそのものよりも有害である可能性があることから
- ブルーライトカットメガネを推奨していない
ということです。
真っ向から意見が対立してますね。
これは、どちらが正しいんでしょう。
たしかに、携帯電話やパソコン、スマホが世の中に普及し、みんなが使うようになってから、約20年くらいでしょうか。
人がブルーライトを多く浴びるようになってから、それだけしか経ってないので、ブルーライトの影響もまだまだわからないことだらけということですね。
【参考】
- ブルーライト研究会、http://blue-light.biz/
- ALL ABOUT VISION.com、「Blue Light: It’s Both Bad And Good For You」、https://www.allaboutvision.com/cvs/blue-light.htm#keypoints
- Wikipedia、「高エネルギー可視光線」、https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E3%82%A8%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC%E5%8F%AF%E8%A6%96%E5%85%89%E7%B7%9A
- AAO(米国眼科学会)、「No, Blue Light From Your Smartphone Is Not Blinding You」、https://www.aao.org/eye-health/news/smartphone-blue-light-is-not-blinding-you
- AAO(米国眼科学会)、「Should You Be Worried About Blue Light?」、https://www.aao.org/eye-health/tips-prevention/should-you-be-worried-about-blue-light
- UT(トレド大学)、「UT CHEMISTS DISCOVER HOW BLUE LIGHT SPEEDS BLINDNESS」、https://utnews.utoledo.edu/index.php/08_08_2018/ut-chemists-discover-how-blue-light-speeds-blindness
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